お兄ちゃんがクラスで飼っている「カイコ」という虫は、白くてイモムシみたいな形で、クワという葉っぱを食べるんだって。しかも、何週間かたつと、その虫が糸を吐きながら「マユ」というものを作り、中に入ってしまったらしい。
そんな虫いるはずない!
だいたい糸を吐くってどういうこと?
マユになったら、その虫はどうなるの?
→図書館で調べてみよう!
その虫は「が(蛾)」であるらしい。
マユの糸は「シルク」と呼ばれ、洋服を作るときに使われる。
「が」からきれいな糸?
そんなはずはない!!
Q1.カイコについて調べよう
カイコってなに?虫なの?
カイコはこん虫(正確にはチョウ)のなかま。たまごから白いイモムシ、そしてマユになり、「が」になる。
マユの中のさなぎはどうなっているの?
たまごは1mmと書いてあるけれど、そこからどうやって生まれてくるの?
よう虫はどれくらい大きくなるの?
成長するにはどれくらいの日数がかかるの?
…やっぱりなぞだらけ。
カイコは日本の虫なの?
今から4500年前の中国の王様が、カイコを飼って糸を取ることを始めたと言われている。日本には弥生時代に伝わった。
そんな大昔の生き物が今も絶滅せずにいるなんてすごい!
野生のカイコを外でつかまえたい!
(お母さん)本で調べてみてね
本には「カイコは家畜の中の家畜」と書いてあった。
家畜(かちく)というのは、人間が食べたり、道具として使ったり、かわいがったりと、人間が利用するために飼い慣らしてきた動物のこと。
カイコは、人間の手によって改良に改良を重ねて、いまのかたちになった。しかも野生では生きていけない。
- ものを見分けることができず、においをかぎ分けられないので、自分でクワを見つけられない
- 力が弱いから、風にふかれて飛ばされる
- 水に弱いので、雨の日には死んでしまう
- 羽はあるけど絶対に飛べない
人間が糸をとるために、自然の姿でいることができなくなったカイコ。なんだかとてもかわいそう…。
Q2.カイコのエサ・クワの葉はどうやって
手に入れたらいいんだろう?
文京区役所に電話して、公園にないか調べてもらおう!
(文京区役所)
1か所あるけど、立ち入り禁止のところで入れない
○○大学にあるらしい。電話しよう!
(〇〇大学)
研究用なのであげられない
新潟のおじいちゃん・おばあちゃんに聞いてみよう!
(おじいちゃん・おばあちゃん)
近くにたくさん生えているから、毎週送ってあげる
東京では、なかなかクワが手に入らなかったけど、いなかはまだたくさんあるんだな。
おじいちゃん・おばあちゃん、ありがとう!
カイコを飼おう
瑛さんはカイコを入手し、成長を記録することにしました。
だっぴした!
まるまる太ってきた。
クワじゃない葉っぱは全然食べない。
カイコがマユをつくるサイン
- エサを食べなくなる
- 体が黄色になる
- 少しすきとおって見えるものもいる
- 少し体がちぢむ
- 熟蚕という よう虫に変わる
うちにも、マユをつくるサインを出しているカイコがいる!
カイコがマユを作る場所は、ちょうどいい大きさに仕切りを作った「まぶし」とよばれる道具のなか。
一部屋ずつあるマンションみたい。
段ボールを使って、カイコのためにマンションを作ってあげよう!私はマンションの管理人になって、カイコがきれいな糸になるまで、ちゃんと育てよう。
そこから5日、カイコがいつ糸を吐き、マユになるのかを観察。無事にマユになりました!
このマユ、いったいどうなるの?
糸にしたい場合
→冷凍庫に入れるか、お湯に入れる
「が」にしたい場合
→そのままにしておく
私はどっちにしたいんだろう…?
カイコのことをいろいろ知ったので、自分の手でカイコを死なせてしまうのはかわいそう。
全部「が」にしてあげたいな!
それから10日。カイコガが生まれました。
よう虫は無事にマユになり、カイコガになった!
でも私は、たまごからよう虫になる様子をみたことがない。見てみたいな~。
すると、お母さんが知り合いからカイコのたまごをもらってきてくれました。
瑛さんは、たまごを育て、自分の目でカイコの成長を確認することに。
たまごは砂利みたいに小さい。
よう虫がいっぱい生まれてきた!
人工のエサとクワでは成長が違うのかな?
実験してみよう!
わたしの予想
クワの方が大きく成長しそう。
「人工エサを食べていたよう虫がクワを食べると、二度と人工エサを食べなくなる」と本に書いてあったから。
- 人工エサを食べたカイコのフンは緑色っぽい。クワを食べたカイコのフンは真っ黒。
-
人工エサを食べて育ったカイコの体長は2cm以上。
クワを食べたカイコは8mm~1.2cm
→人工エサの方が、カイコが大きくなる!
人工エサには、ビタミンやミネラルなど、いろんな成分が入っていて、まるで薬みたい。
太さも長さも全然違うね。
カイコがきれいなマユになるって、本当だったんだ。
最初、カイコはさわりづらいし、エサもフンもくさいし…。
でも育てているうちに可愛くなってきて、大好きになりました。
がんばって育ってくれたカイコ、ありがとう。