作品かんたん紹介

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おもったこと

資料館で資料を読んで、「八犬伝」は本当にあった話じゃないことを知りました。歴史上の人物である里見氏のことや物語にした曲亭馬琴のこと、いろいろ知りたくなりました。お父さんといっしょに調べてみようと思います。

「南総里見八犬伝」ってこんなお話

調べて分かった!

安房国の武将であった里見義実は、飼い犬の八房に娘の伏姫を嫁にやると約束してしまいます。犬から伏姫を助けようと放った弾が、姫に当たり、伏姫は亡くなってしまいます。その時、伏姫が身に付けていた八つの玉が各地へ飛び散りました。八つの玉は8人の若者が持っており、運命的に出会っていった若者たちは「八犬士」として里見家に集います。その後、里見家の家臣として里見家の危機を救った八犬士は、義実の8人の孫娘を妻にし、城を与えられました。

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(僕)八犬伝の本は図書館で探しただけでも10種類以上。
6冊読んでみたけど、本によって登場人物や話が違ったよ。
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(父)「南総里見八犬伝」は元々106冊もの長いお話。
それを1冊にまとめているから本によって違いがあるんじゃないかな?
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(僕)106冊も!?知らなかった。
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(父)そしたら、どうやって物語が作られたのか一緒に調べてみよう!

曲亭馬琴ってどんな人?

調べて分かった!

「南総里見八犬伝」を作ったのは、曲亭馬琴という江戸時代の作家。 馬琴は「読本(よみほん)」という空想小説をつくるのが得意で、いくつものヒット作を生み出しました。 「南総里見八犬伝」は全106冊、なんと28年かけて作りました!

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(僕)目の見えなくなった馬琴は、息子の嫁のお路に協力してもらって、口述筆記で物語を書き続けたんだって。
家族みんなを巻き込んでの創作だったんだね!

ぼくの疑問

(僕)馬琴は江戸に生まれて、千葉に来たことがないのにどうして「南総」や「里見」をお話にしたんだろう?

調べて分かった!

江戸時代、幕府を批判すると罰を受けるため、人々は何か別のものに例えて幕府を批判していました。馬琴が選んだのは、幕府と敵対する「里見氏」。徳川家を嫌う里見氏を活躍させることで暗に徳川幕府を批判しました。それが江戸時代の庶民の心をとらえて、人気を博したようです。

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(僕)馬琴が「南総里見八犬伝」のモデルにした里見氏は実在した武将。
今度は里見氏がどんな人か?南房総がどんな場所か調べてみよう!

里見氏と南房総

調べて分かった!

1400年代の中ごろ、上野国(現在の群馬)から安房に移り住んだのが、房総里見氏の祖となる里見義実でした。足利氏と上杉氏の対立の場となった房総で、足利氏につかえた義実は、上杉氏を追い出し安房の統一に成功します。
海に囲まれた場所に領地を持った里見氏は、地元の海ぞくたちをまとめあげ、「里見水軍」を誕生させ、戦国時代、繁栄を極めます。江戸時代になると、里見は関東最大の外様大名になりますが、軍事的にも経済的にも幕府をおびやかす重要な場所にいたため、幕府によって取りつぶされてしまいます。10代も続いた里見は170年の歴史に幕を閉じました。

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(僕)今回、里見の人物や南房総の土地を調べてみて、「南総里見八犬伝」に出てくる登場人物や場所の多くが実在した人物や場所をモデルにしていることが分かったよ。
おもしろいね。実際の場所を見に行きたくなった!

ゆかりの地へ行ってきた!!

里見氏の居城「館山城」、八犬士のモデルとなった「八遺臣」(里見忠義に使えた8人の家臣)のお墓や、伏姫が八房とこもった「富山」など、ゆかりの地をまわりました。地元の方々は「南総里見八犬伝」や里見氏にとても愛着を持っていて、たくさんのお話を聞かせてくれました。

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ゆかりの地を実際に訪ねて心配になったことがありました。富山を歩いていると、令和元年台風15号の影響で通行止めになっている場所が。まだ屋根にブルーシートがかかっている家もありました。前々年度の台風の被害がまだ残っていることを実感しました。

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ぼくたちにできること

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(僕)八犬伝のゆかりの地や、この土地の人たちのために
ぼくたちができることはないかな?
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(父)以前、新聞で見かけた「ふるさと納税」はどうかな?今の状況では現地で何かお手伝いをすることが難しいから、一緒に調べてやってみよう。

まとめ

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おもったこと

(僕)今回、パパが調べてくれた「ふるさと納税」で応援しましたが、これからもできることをみつけて応援していきたいです。パパと2人でたくさん出かけたり、話せたりして楽しかったです。つかれたときは、はげましてくれて、馬琴と同じように家族の協力で最後までやりきることができました。

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おもったこと

(父)2人で巡り調べたこの夏休み。こんなに奥深いものとは知らず、調べる面白さを感じました。そして、八犬伝ゆかりの地の被害を目の当たりにし、「誰かのために何かできないか?」と考える姿に、息子の成長を実感しました。息子と2人で一つのことができ、親子の絆もより深くなったと感じています。

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